半日かけて神保町を歩き回ってみた。
「なんとかここに住めないものか」
などと思ってしまったからだ。
そんなことを考えた理由は、やはり書籍密度が高いからに他ならない。
頭の中を活字で埋め尽くしながら寝て起きて、という生活がしてみたいのだが、なかなかそうはいかないので、住む場所から変えてしまえ、という訳だ。
しかしながら、予想通りと言うか、まー難しい。
風呂無しでもいいから安いのねえかと思っていたが、そんな都合のいいものは見当たらない。
不動産の軒先に貼り出されている物件情報は軒並み貸店舗だし、歩き回っていて気付いたのは、古い建物がどんどんと再開発されている姿だ。
人が住むということを前提にした土地ではないことには違いなさそうだ。
別に知ってたけどね。
一応、自分の足で確かめたということさ。
時々古本屋に入っては目につく本を手に取り、値段と財布の中身を比べて涙を呑みつつ棚に戻し、また表に出てひたすら街を縦に横にと歩いて回ったが、そのうちに尋常じゃないほど足の裏が痛みだした。
なれない靴の所為もあったが、それにしても頭痛がするほど痛みが響く。
時計を見たらもう五時間は歩き続けていた。
時間を忘れるにもほどがある。
それともこれは単なる体力の低下でしょうか?
ちまちまと写真を撮ったが、もっといろいろと撮れば良かった。
地図しか売ってない店とか演劇専門の店とかさくらホテルとか商店街の裏道に突如現れるきれいな一軒家とか、挙げるとけっこうきりがない。
またいずれ。
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