2007年9月5日水曜日

彼の影

まっすぐな直線の道を走っていると、
ほんの2、3メートル前に半透明の自分の背中が見える時がある。
僕はその位置で走る事を目指していて、
なのにどうしても追いつく事が出来ない。

そんな感覚が突然白昼夢のように襲ってくる事がある。
僕は何かに必死になっていて、
しかもそれがうまく行かない時、
僕の望む理想の自分が前を走っているのだと思う。

少し前を走る自分は、
影のようでもあり、
幻のようでもある。

何かのきっかけで僕が考えるのを中断すると、
彼は消える。
それこそ何もなかったように。
彼の存在は自分の不調の証であり、
時にはそれが見える事自体焦りの元にもなるのだが、
彼の姿が見える事はとても重要な事のような気がして、
中々嫌いにはなれないのだ。

僕は今日も考え続け、
自分が納得できる作品を作ろうと頭を悩ませている。

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