2007年10月27日土曜日

閑話休題

「ひとやすみすれば?」
と言われて、何もせずに一日中ベッドの中にいた。
外はあいにくの雨で、外に出るのも面倒な日だ。

僕は借り物の女性週刊誌や読みかけの小説を読み、
極力何も考えないように今日一日を過ごした。
日常の中で体の中に少しずつ溜まっていたと思われる様々な種類の疲れの塊が、
頭から順番に体の下の方に移動し、気怠さに覆われた足の指先から徐々に空気中に揮発していった。

いつの間にか溜まっていた疲れは思いのほか僕の体の隅々にまで浸透していた。
肉体を構成する要素が軽めの食事と休息によって古いものと入れ替わる。
そうして体とともに心まで回復していくのだが、そうやって自分がリフレッシュしていくのを感じるのは奇妙な事のような気もした。
急ぐ事も焦る事も忘れ、僕は流れに身を任せる。
マイナスの方に大きく傾いていたベクトルが少しずつフラットになっていく。
これで、僕に休息を勧めた彼女が横にいてくれたら、これ以上幸せな事は無いのだが。

僕は布団の中で丸くなりながら、子供の頃熱を出して一日中同じように過ごしていた時の事を思い出した。
大人になると病気の現れ方はわかりにくくなって、気付かないまま病んでいる事がままあると思う。
どこかで失ったバランスを取り戻す時間が、皆にあればいいのだ。

とにかく、今は寝よう……

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